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悲しく切ない味
2011年06月11日 (土) | 編集 |
悲しくて切なくなる味って…どんな味?
私にとってのその味は、イタリアフィレンツェの塩無しパン。

イタリア留学を決めて、イタリアに単身渡った私。言葉も分からなくて、知ってる人なんてもちろん居なくて。すごい望んで始めたことなのに、意外と早くにホームシックに陥った。
学校が始まったら警察で居住許可を申請したり出来ないと思い(学校を休みたくなかったから)、学校開始の1週間前にイタリア入りした。学校契約のアパートに入るまでの1週間、駅近くのホテルに滞在。

レストランに一人で入る勇気もなかったので、どこかで食べ物を調達しなければならなかった。駅の脇の地下に今にして思えば、ちゃんとしたスーパーがあった。今にして思えば、と書いたのは…。駅周辺には浮浪者がとても多く、雰囲気がとても悪かった。そして、そのスーパーの野菜やパンのあまりの安さに(今にして思えば、普通の価格)「きっとここは浮浪者用のスーパーなんだ。」と勝手に思い込んだ。一人の寂しさと、浮浪者御用達のスーパーで買い物している自分の情けなさとで、ホテルで涙した。(しつこいけど、今にして思えば浮浪者御用達のスーパーなんてあるわけがない!)
そして、その時のパン。これがフィレンツェ伝統の塩無しパンだったんだけど、そんな事知らなかった私は「やっぱり浮浪者用のパンって美味しくない」と、一人納得。ホテルについていた朝食が唯一のまともな食事だった。「早く普通の人用のスーパー見つけなきゃ。」本気で思っていた。

フィレンツェの塩無しパンについて知ったのは、イタリア滞在を始めて1ヶ月くらいが経った頃だと思う。フィレンツェは内陸で海のない町。だから塩を使ったパンは作られていなかったのだ!!
そして、塩無しパンの存在と共に、「浮浪者御用達スーパー」が存在しない事も知った。

そんな塩無しパンに、日本で出会ってしまった。

うちの姉は数年前にホームベーカリーを購入。時々焼きたての美味しいパンを差し入れてくれる。先日の朝も、焼きたてのパンをもらって、ウキウキの朝食タイム。で、パンを一口食べた瞬間に!悲しい切ない味が口いっぱいに広がった。姉がせっかく作ってくれたものだから「まずい」とも言えず、しかも瞬間的に悲しい気持ちになったけれど、その正体は分からずにいた。そして母に「ねえ、啓チャンのパン、いつもと味が違うんだけど…」と、食べてみてもらった。「うん、確かに。違うね~~。」で、私の記憶がつながった。「これ、フィレンツェの塩無しパンだ!」

そして数時間後、姉が駆け込んできた「あじゃごん!!ごめん!今日のパン、変やったやろ??」「う~~ん。フィレンツェのパンの味がした」「そうなんよ!塩入れ忘れたと!!」

やっぱり!

私の舌はあの切ない味をしっかり覚えていた。
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